ある所に、オルムという若者がいました。

 おしまい。



「……勝手に終わらんで下さい」

 これは失礼。



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 気を取り直して。
 ある所に、オルムという若者がいました。
 長身痩躯で優しい性格をしており、街の女の子にもそれなりに人気。
 しかしてその実態は、ただのロリコ(打撃音)

「好き勝手言うなや」

 石を投げないで下さい。
 しかしてその実態は、ただの酒場のマスター見習でした。
 ……ああ、ついでに遺跡学者でもって遺跡荒らしだったりするけど。



 そんな彼は今、とても困っていました。
 街の近くに未発見遺跡があった、という話を聞いて探索に出たのが三日前。
 遺跡について捜索を開始したのが一日前。
 そして今、彼の目の前には10歳くらいの ι ι が変な魔方陣の中、裸で浮かんでいたのです。
「…………これは、何か。俺に本能に忠実な行動を取れ、という神からの啓示か何かですか」
 呆然とつぷやく青年に対して、誰かが答える訳はありません。
 なにせここは地下深い遺跡の最深部なんですから。
 青年はしばらくどうしようかと悩んだ挙句に、変な魔方陣を正確にメモ帳に転写してから、魔方陣を壊してしまいました。
 件の少女は魔方陣が壊れると同時に目を覚ましました。
 そして自分が裸だということに気付き、とても困った顔をしているオルムに言いました。

「…………性犯罪者ですかー?」

 少女の心理攻撃を受けて心の中で苦痛の悲鳴をあげつつ、オルムは少女に毛布を渡し、事情を説明します。
 事態が飲み込めた少女はにっこりと微笑むと、穢れの無い瞳でオルムを見つめつつ、こう告げました。

「さっきから、息が( ゚д゚)ハァハァしっぱなしですよー」

 再び心理攻撃を受けて膝から崩れ落ちたオルムはぐったりしつつ、それでも力を振り絞って彼女に告げます。
「あー……。俺の両親はこの遺跡の近くの街で酒場をやっていて、人が一人くらいならしばらく居候できるんだ。君の事情は分からないけど、よかったら来ないかい?」
 少し考え込んだ少女はやがて肯くと、にっこり笑って言いました。
「私はアールマティです。よろしくー」



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