2002年6月1日
「焼身作家」
 西暦2222年、日本政府は謎の占星術師、周星馳の預言に従い世界中からコバヤシ姓を名乗る者達を根絶するため、対コバヤシ戦闘用ロボットサッカー選手部隊を設立、この世からコバヤシさんを根絶やしにするためロボット達はコバヤシを
 蹴る!
 蹴る!!
 蹴り砕くッ!!!
 脳漿をまき散らし築かれるコバヤシさんの屍山血河!
 このまま




















 ウソ吐きましたゴメンナサイ。



 さて肝心の物語ですが……

 主人公は少林寺拳法の達人。
 因みに監督自ら体を鍛え上げ主演までしちゃってます。

 この主人公は廃れてしまった少林拳をなんとか復興させたいと願いあの手この手で少林寺拳法を広めようと奮闘する青年。
 彼がホテルのゴミ捨ての仕事中足の不自由なおじさんに出会います。

 このおっさん、かつては一世を風靡した「黄金の右脚」の異名を持つサッカーの名選手だった男。
 しかし、小遣い欲しさに八百長に荷担して暴徒と化したファンに自慢の右脚を壊されてしまい、かつてのチームメイトで今は中国サッカー界のボスとして君臨する男の雑用係の毎日。

 そんな毎日に嫌気がさしていたおっさんはボスと口論。
 実はこのボスが昔おっさんに持ちかけた八百長はおっさんを陥れるための罠であったことを明かします。
 ショックを受けるおっさん。しかし自分が八百長をしていたことを今更明かす訳にもいかず、また負け犬のおっさんの話など信じてもらえる筈も有りません。

 こうして打ちひしがれたおっさんと主人公は出会います。
 主人公が気軽に蹴飛ばした空き缶が高空へ消え去り、後日煉瓦の壁に突刺さっているのを発見し驚愕するおっさん。
 
 主人公も人気スポーツのサッカーと小林拳の融合が普及に繋がると考え、意気投合。
 メンバー集めのためかつての兄弟子達を尋ねます。
 すっかり落ちぶれた門下生達は目先の生活を優先し、一旦は断わりますが小林拳への情熱は忘れがたく主人公とおっさんの元に集います。

 しかし、サッカーは素人同然、といいますか完璧な一分の隙も無いド素人。
 おまけに肝心の小林拳の功夫も鈍り鈍ってます。
  おっさんを監督としてサッカー選手として一から鍛え直す面々。
 デブは自分のオヤツの生卵を練習に使われ割れるたびに

 靴や

 股間や

 兄弟子の口腔に襲いかかるデブ。

 監督が地響きと共に揺れるコップを見て、遠くに目をやると主人公が壁に書かれた的にボールを撃ち込んでいました。
 ボールが的に激突するたびに壁の上に乗っている砂が飛び跳ね、ドドンガボンガと地響きが轟きます。
 順調に仕上がっていく小林サッカーのメンバー達。
 
 初の練習試合では主人公が以前にノしたチンピラの卑怯な反則で袋だたきに会う小林サッカーチーム。
「こんなのスポーツじゃ無い! これじゃ戦争じゃないか!?」
 憤る主人公。
「本物のサッカーは戦争だ!!」
 降参して自分のトランクスを脱ぎ白旗代わりに振り回す兄弟子。
 敵チームのキャプテンは自分の嫌な色に染まったブリーフを脱ぎ
「これを被れば許してやる」
 と脅します。
 悔し涙を流しそれを受入れる兄弟子。

 熟成された甘く香ばしい香りが辺り一面に満ちたとき、奇跡は起きた!



 フゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!



 エクスタシィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!



 パンツのフィット感とかぐわしいしい芳香に酔いしれた兄弟弟子達はパンツ丸出しのまま頭だけで逆立ちしたりして、悟りを開きかつての能力を取り戻します。

 クロス・アアアアアアアアアアアアアアウッ!!

 真の力を解放した兄弟子達は空中を飛び回り、主人公の回転蹴りから放たれた「必ず殺す」と書いて必殺のシュートが炸裂!
 ボールは摩擦で火の玉と化し、ゴールポストをねじ曲げます。

 完膚無きまでに敗北の味を舐めさせられ改心する敵チーム。

 こうして11人のメンバーも揃いトーナメント参加の申し込みをしようとしますがそこへ現れたのが監督のかつてのチームメイトのボス。
 彼は参加を断わられた小林サッカーのメンバーを晒し者にしようとよせばいいのに大会への参加を援助してしまいます。

 増長するボス。
 いつもの様に汚れた靴を掃除するため監督のおっさんの頭に足を乗せようとしますが大喜びするメンバー達が綺麗にしようと殺到、ボスの靴を持ち去ってしまいます。

 大金持ちのくせに穴の開いた靴下をはいていることがばれちゃったボス。


 
 そして大会は開催、一回戦が始まります。
 不人気チームのせいか観客は零、掃除婦のおばちゃんにも煙たがられる始末。
 試合開始のホイッスルが吹き鳴らされ……




 瞬・殺!




 見てて思わず相手が可哀相になるほど「ただ点を獲って獲りまくる」小林サッカーの皆さん。
 世間の爪弾き者からいつの間にやら一転、人気者となった小林サッカーチーム。

 浮かれて大はしゃぎしてる間に主人公はエステ美女と化したヒロインに「友達だと思ってた」と爆弾発言。

 ショックを受けた饅頭屋のヒロインは自分の汁入りのしょっぱい饅頭を大量生産。
 吹き出物だらけの顔の時ならえらいことになっていたことでしょう。

 朴念仁の主人公はその時になってようやく自分が恋心を抱いていたことに気付きます。
 
 そして準決勝。
 相手チームのフォワードは何故かおひげの生えた∀おねいさん二人。
 このおねいさん達、試合が始まるやいなや空中を闊歩。
 それを見た主人公は
「ワイヤーアクションか!?」
 ついさっきまでお前らも散々飛んでいただろうが。

 

 しかし、彼女たちの善戦虚しくブルース・リー似のキーパーに全てシュートは止められ、引き立て役にとして終ります。

 そして決勝。
 当初の思惑と違ってきたボスは監督を呼び出しまたもや八百長を薦めます。
 しかし、お金よりも優勝カップの方が素晴らしいことを今までの苦い人生から学んだ監督はその誘いを突っぱねます。

 そしてついに決勝戦。

 やけに目つきの悪い敵チームのなんかロボっぽい選手達。
 ただものじゃあ無いと思ったら役者さんは正真正銘、本職の少林寺武僧だそうです。

 キックオフ。

 主人公がシュートを打てば芝生が波打ちキーパーがそれを受け止めると手袋が焦げます。
 シュートを片手で止められ愕然とする主人公にボールを投げ返すキーパー。
 手招きをして再度シュートするように挑発。
 何度も何度もシュートしますがことごとく阻まれてしまいます。

 そして敵の反撃、小林サッカーチームを遙かに上回る身体能力と凶悪なラフプレーで次々と選手を蹴散らし芝生を削り取り燃え上がる強烈なシュート!
 キーパーのなんちゃってブルース・リーのスーツを螺旋の衝撃で引き裂きフィールドの看板まで吹っ飛ばします。

 傷ついて退場したキーパーの代わりにディフェンダーの兄弟子がキーパーとして入りますが非情な敵チームの猛攻撃にズタボロ。
 口から血を吐き焦げたユニフォームの破片を飛び散らしながら何十発何百発ものシュートを受け続け、ついにボールを止めてみせます。
 腹筋の力で敵の選手ごとはじき飛ばすキーパー。
 しかし、そこで力つきてしまいます。
 
 既に交代要員のいない小林サッカーチーム、このまま負けを認めてしまうのか?

 その時……

 突如フィールドに火星人来襲!
 地球は大ピンチです。
 いくら両チームともお世辞にも人間とは呼べない化物ばっかりですが地球外生命体とプレーする訳にはいきません。
 主人公は「地球は危険だ、火星に帰れ!」と火星人を脅迫しますが地球人とのコミニュケーションが不可能なのか、聞き入れません。
  火星人は以前主人公が捨てたボロ靴に謎の火星生物のアップリケを施し買収。
 ゴールポストに自分から突撃したり相手のゴールで待ちかまえたり散々嫌がらせをした後、まんまとゴールキーパーに居座ります。

 そして試合再開。

 突如悪魔と契約し空中で静止殺人シュートを放ちますが、火星人は宇宙太極拳の奥義を駆使してシュートの威力を回転で受け流します。
 小林サッカーチームで太極拳を披露し得意になる火星人。
 この火星人の禿カツラなんでも自然な感じに見えるように500万円かけてCGで修正したそうです。

 芝生を巻き上げて主人公にボールをパスする火星人それを空中できりもみ回転の反動でシュートする主人公。

 大地は抉れ、敵の選手を巻き込み、竜巻となってゴールに襲いかかる!
 待ちかまえるキーパー、しかしボールが巻き起こす凶風にユニホームはバラバラ、汚らしいケツを映画館の大スクリーンにさらすゴールキーパーを含め敵チームをゴールごと粉砕!

 敵チームは全員再起不能となりめでたく小林サッカーチームは中国チャンプに。



 街は少林寺拳法をたしなむ人でいっぱいになり中国はグラップラー刃牙状態。
 火星人と手を組んだ主人公は地球を支配するため今度はボーリングに挑戦。
 

 人類が中国人の物になる日はそう遠くはなさそうです。


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