2001年9月23日
「ガオレンジャー墜ちろ」
 観てきましたよ、百獣戦隊ガオレンジャー、「火の山吠える」

 いや、なんというか予想通りというか期待を決して裏切らないというか……
 東映のタイトルロゴと波濤のおなじみの東映映画のオープニングで始まったと思いきや東映のロゴからガオライオンが飛び出して「ぐわおーッ!!」



 誰ですか?ガオレンジャーのスタッフでアメリカの某映画会社に転職したいなあ等と露骨に不満を漏らしている人は?
 で、オープニングの砕ける波にリンクしてのっけから凄まじいオルグ反応で基地(?)の泉が吹き出し濡れ鼠のテトムさん。
 突如カメラ目線でもって「みんなで大きな声を出してガオレンジャーを呼びましょう」等と映画なのにヒーローショーの様な事を言い出します。
 良い子達の無言の応援に応じ出動するガオレンジャー。
 ガオレンジャー達は主題歌「ガオレンジャー吠えろ!」を合唱しながら、ヤバイバさんとツェツェさん瞬殺、劇場版の出番はこれっきりです。さようなら、何しに来たのですか?

 実はこの二人劇場版にはお情けで出してもらっただけで本当の敵は異世界のオルグだった様です。
 謎のブラックホールに吸い込まれるガオレンジャー達、なんの説明もなくどこからともなく出動先に突如現れたテトムさんを巻き込んでどこかの異世界にある島にとばされてしまいます。



 とばされた異次元の島でいつぞやのボーリングオルグに吹っ飛ばされた時の様に砂浜に突き刺さるブラック。

 (参考資料:バーチャルネットアイドルちゆ12歳さん)

 不気味なオブジェと化して芸術の秋を満喫していたブラックを引き抜くと遠くでオルグの戦闘員に襲われている人間が……
 特に理由も無しにとりあえず助太刀するブラック&ブルー&ホワイト&イエロー。

 そのころ「おるぐっ、おるぐっ、おるげっと! おるぐっ、おるぐっ、おるげっと! おるぐっ、おるぐっ、おるげっと!」 となぜか自分の頭をポコポコ叩きながらご機嫌で狩りから帰ってきた別のオルグ戦闘員。
 獲物は罠にかかっていたテトムさん……と、レッドとシルバー
 なぜかオルグのボスの三人、ハデスオルグ、ゼウスオルグ、ポセイドンオルグのオルグ三兄弟と意気投合して酒盛りを始めるテトム
 正義の味方の自覚がガオディアス並に低いです。

 なんかポセイドンオルグと大事そうな首飾りを賭けて飲み比べを始めるテトムさん。
 2mを軽く越えるポセイドンオルグを見事うち負かし酔っぱらってご機嫌で首飾りを鼻の下にぶら下げます。
 そこへ駆けつけたガオレンジャーと地元の島民。
 変わり果てたテトムさんをうっちゃって戦う島民とガオレンジャー。
 そのころ宝石を託された島のお姫様とレジスタンスのリーダーは険しい岩山を決死の覚悟でのぼり、なんかこまめに掃除されてるっぽい綺麗な祭壇にようやくたどり着きます。
 そこへあっさり現れるポセイドンオルグとガオシルバー、ポセイドンオルグはお姫様を殺そうと襲いかかりますがリーダーがそれをかばい絶命してしまいます。
 そこへハデスオルグとポセイドンオルグを倒したガオレッドと一緒についてきただけの残りの四人が得意の不意打ち、ひるんだところをシルバーの手によって海にたたき落とされるゼウスオルグ。しかし、なぜかオルグシードも無しに巨大化し残りの二人も再生及び巨大化してしまいます。
 
しかし、そのとき祭壇に捧げられた宝石がガオの宝珠に変化して島の中央の火山が噴火なかから真っ赤に焼けたガオゴリラが現れます。
 このガオゴリラ玩具作る金型はどうせほとんど同じのくせに「自分はガオコングだ」と正体を偽り、燃える大木をくるくる回しながらファイアーダンスを踊ります。
 悩ましいガオコングの腰つきに惑わされ思わず一緒に腰を振って踊り出すアホなゼウスオルグ。
 そのガオコングの踊りに誘い出されたのかパワーアニマル達が異世界まで駆けつけます。
 
 ガオコングの魅惑のダンスはさらに1000年前の世界からガオゴッドまで呼び出してしまいます。
 ガオコング大人気、パワーアニマル達はいかにもムサ苦しそうなガオコングの踊りにもうメロメロです。
 そしてついに合体しガオナイトに変形したパワーアニマル達。ガオライオンはガオコングに役目を取られてしまいワザワザ異世界にやってきて、観てるだけで何もすることが有りません。

「超々々々魔王の雷!」とかなんとか異様にわかりやすい必殺技を繰り出してくれるガオゼウスさん。ガオレンジャーの十八番を奪うような見事な不意打ちを決めて下さったハデスオルグさん、テトムさんに飲み比べで敗北したあげく見せ場らしい見せ場の無いポセイドンオルグさん。
 三人のオルグ達はド派手な必殺技が格好良いガオナイトとガオゴッドに粉砕されてしまいます。
 とくにギャグも無かったのでこの辺は割愛

 で、なんだかよくわからないうちにガオコングを島に置いてけぼりにしてガオゴッドに載り帰っていくガオレンジャー達。
 突如カメラ目線になり劇場版を見に来た良い子達(注:大きなお友達含む)にむかって露骨にTV版を観るように早起きを薦めるガオレッド。
 しかし、ガオコングを棄てた報いか露骨な宣伝厨房行為が災いしたのかレッドは足を踏み外しガオゴッドにぶら下がる格好に!?

 大どんでん返し、ハッピーエンドかと思いきやレッド大・大・大ぴんちです。
 必死でぶら下がるレッド、どうなるこれからどうなるハラハラドキドキ緊張の一瞬。

 そのとき後方から子供の声……























「墜ちろッッ!!」

 そのとき観客の心は一つになった!
 手に汗を握り一心に「ガオレッド墜ちろ」と期待のまなざしを送る我ら。
 そこだ! 墜ちろ! さあ、手を滑らせるんだ!

 しかし我らの願いもむなしくガオレッドは無事に元の世界へ帰還……

 仕方がありません。やつだって生きるのに必死なのです。

 わき上がる殺意の衝動はこの後始まる仮面ライダーアギトへと持ち越すことにしましょう。


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